最高裁判所第一小法廷 昭和24(れ)444 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人神代宗衛上告趣意について。
しかし、刑の執行を猶予すると否とは、事実審たる原裁判所が諸般の事情を斟酌
して決定すべき自由裁量の事項に属し、刑の執行を猶予しない理由が人種、信条、
性別、社会的身分又は門地により、被告人を差別するものでない限り、憲法第一四
条の規定の趣旨に反するものでないことは、既に当裁判所大法廷の判例とするとこ
ろである。(昭和二三年(れ)第七〇号同年五月二六日大法廷判決参照)されば本
件犯罪の動機その他において所論のような諸種の事情があるとしても、原判決が諸
般の事情を考慮して執行猶予を与えなかつた措置を目して憲法第一四条に違反し引
いて同法第一一条の国民の基本的人権の享有を妨げる結果を招来する違法のものと
いうことはできない。所論は名を憲法違反に籍りて原審の自由裁量を非難するもの
に外ならないから上告適法の理由とならない。
よつて旧刑訴第四四六条に従い主文のとおり判決する。
この判決は裁判官全員の一致した意見である。
検察官 竹原精太郎関与
昭和二四年七月一四日
最高裁判所第一小法廷
裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔
裁判官 沢 田 竹 治 郎
裁判官 真 野 毅
裁判官 岩 松 三 郎
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